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「バズっている」だけでは買わなくなった?若者が“自分に合うもの”を探すようになった理由

 

「SNSでバズっているから欲しい」。少し前まで、そんな買い方は珍しいものではありませんでした。

ところが今、若い世代の買い物に少し違う動きが見え始めています。人気の商品をそのまま選ぶのではなく、「それは自分にも合うのか」とAIに条件を伝え、さらに口コミまで確認してから決める。

ManiaMatrixでは、この変化を「流行離れ」ではなく、買い物における比較の対象が変わり始めた現象として考えます。

 

 

いま、何が起きているのか

2026年4月に行われた@cosmeメンバーへの調査では、「SNSやYouTube・TikTokで話題・人気・バズっている化粧品を購入したい」という意向が、2022年と比べて10代で7.2ポイント、20代で6.3ポイント低下しました。

同じ調査では、AIの使い方にも興味深い特徴が見られます。特に20代では、肌質や顔タイプなど自分についての情報を細かく入力し、「自分に合う答え」を探す利用が確認されています。

ただし、これは「若者がAIの答えをそのまま信じて買うようになった」という話でもありません。

AI、口コミ・レビュー、インフルエンサーの情報が異なった場合、「AIを最も参考にする」と答えた人は8.4%。一方、「口コミ・レビュー」は40.2%でした。

ここに、新しい買い物の形が見えてきます。

 

 

気になるのは「バズ離れ」そのものではない

面白いのは、「人気商品への関心がなくなった」ということではありません。

バズは今でも、商品を知る入口になります。SNSを眺めていて何度も同じ商品を見れば、「何だろう」と気になることもあるでしょう。

変わり始めているのは、その先です。

以前なら、

人気がある

多くの人が買っている

それなら自分も欲しい

という流れが比較的成立しやすかった。

しかし現在は、その途中に、

「でも、自分には合うのか?」

という確認が入りやすくなっています。

つまり、私たちは比較しなくなったのではありません。

比較する基準そのものを細かくし始めているのです。

 

 

ManiaMatrixで見ると「B:買う心理 × ①比較・優劣」の構造

ManiaMatrixでは今回の現象を、主にB:買う心理 × ①比較・優劣として見ることができます。

これまで買い物で使われてきた分かりやすい比較材料には、「売上1位」「ランキング上位」「SNSで人気」「みんなが持っている」といったものがありました。

選択肢が多すぎると、自分ですべての商品を比較するのは大変です。そこで私たちは、他人の選択を判断材料として利用します。

しかしAIによって、別の比較方法が使いやすくなりました。

「敏感肌」「このくらいの予算」「こういう仕上がりが好き」「自分の顔タイプはこれ」と条件を渡せば、膨大な候補の中から自分向けと思われるものだけを絞ってもらえます。

すると買い物の流れは、

バズで知る

自分にも合うのか気になる

AIに自分の条件を伝える

候補が絞られる

口コミを見る

自分の判断を確認する

と変わっていきます。

ここで重要なのは、AIが比較をなくしたのではなく、「みんなとの比較」から「自分との一致度の比較」へ、新しい物差しを持ち込んだことです。

 

 

私たちは何に反応しているのか

人は必ずしも、「一番人気の商品」が欲しいわけではありません。

最終的に欲しいのは、

「自分がこれを選んでも大丈夫だと思える理由」

なのかもしれません。

これは化粧品だけの話ではありません。

旅行先を探すときも、「人気ランキング1位」だけで決めるのではなく、「静かな場所が好き」「子ども連れ」「予算はこれくらい」と条件を入れて候補を探すことがあります。

家電でも同じです。「売れている機種」より、「自分の部屋の広さや使い方に合う機種」を探したくなる。

人気は、選択肢を減らしてくれる便利な情報です。

一方で、自分について入力すればするほど、「自分専用らしい答え」を返してくれる仕組みが身近になったことで、私たちは以前より細かな一致を求められるようになりました。

 

 

この仕組みを知ると、見え方が少し変わる

今回の変化を「若者が流行に流されなくなった」と考えるだけでは、少し単純すぎます。

人気や口コミの影響が消えたわけではありません。実際、調査ではAIより口コミ・レビューを重視する人の方が多く確認されています。

むしろ、

AIで自分向けに絞る。
そして他人の経験で答え合わせする。

という二段階の確認が生まれていると見る方が自然です。

「みんなが買っているから安心」という選び方から、「自分に合いそうで、実際に使った人も評価しているから安心」という選び方へ。

判断材料が減っているのではありません。

むしろ、増えています。

だからこそAI時代の買い物は、一見すると便利になりながら、別の意味では「もっと自分に合うものがあるかもしれない」と比較を続けやすい買い物にもなっていく可能性があります。

 

 

まとめ|「バズっている」から「私に合っている」へ

今回見えてきたのは、単純な「バズ離れ」ではありません。

これまで強かった、

みんなが選んでいるか

という基準に、

自分という条件にどれだけ合っているか

という新しい比較軸が加わり始めています。

そしてAIだけで決めるのではなく、最後には口コミや実際の経験を確認する。

そこには、AIが答えを決める未来というよりも、AIで候補を絞り、人間の経験で答え合わせをする買い物が見えてきます。

AIやSNSというサービスは変わっていくでしょう。

しかしその奥にある、「自分の選択には間違いがないと思いたい」という心理は、以前から私たちの中にあるものです。

変わったのは、人間ではありません。

納得するために使える比較の道具が、一つ増えたのです。

 

 


 

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